ヱヴァンゲリヲン新劇場版の最終章となる『:||』が公開された。
ファンであれば公開初日に、いや公開初日が無理でも1週間以内か、いや遅くとも1か月間以内には見に行きたい。
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だが劇場に向かう足が心なしか重い。なぜか?それは
「絶対に初見じゃ理解できない(笑)」
という不安と恐怖心があるからだ。
エヴァは難解である。ただでさえ難解な所に、最終章はいつも超難解ときている。
それが「本当の本当にこれでおわり」と言うのだから、これまでのエヴァで最も難解であることは容易に想像できる。
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というわけで、シン・エヴァンゲリオン劇場版「:||」を見る前に、前作「Q」のおさらいをしっかりしておこう。
ここでの理解度が最終章を楽しめるか否かを分かつものであることは言うまでもないだろう。
冒頭からラスト、次回予告まで、気になる部分をすべて洗い出してみた(書き出すだけで4時間くらいかかった…)。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q あらすじ
冒頭シーン
宇宙空間で『目標』奪取のために状況(軍事用語で「作戦」の意味)を開始するアスカとマキ。目標にたどり着きアスカが叫ぶ
「なんとかしなさいよ!馬鹿シンジ!」
反応するように「目標」から放たれた光が使徒を殲滅する。大気圏に突入し光を放つ弐号機と目標。
それを見つめ「おかえり碇シンジくん。待っていたよ」と呟くカヲル。
目覚めるシンジ
目覚めるシンジ。担架で運ばれ意識を確認される。検体BM03と呼ばれ、首に冷たい視線で迎えられたシンジ。ニアサー時(ニアサードインパクト時)の100%までの回復を確認。頸部にはDSS(大腿骨頸部内骨折時に使用する器具の名前、本作では「爆弾」と同義)を巻かれている。
「何なんですかこれ?外してくださいよ」ともがくシンジに対し、「絶対に外しませんよ、それ」と冷たく言い放つ女隊員。
その時、ネーメジスシリーズ(新手の使徒)が船に接近、戦闘配置。慌ただしく飛び立つ軍事ヘリ、目標へ向けられる六本の大きな主砲。
目標は光の柱を展開しネルフ隊員の乗る艦隊を包囲する中、葛城艦長は主機(「しゅき」メインエンジンの意味)の点火を命じる。いきなり本艦での実践を試みる。
「神殺しの力、見極めるだけよ」とミサト。
肝心の点火システムは未設置、エヴァ改弐号機が起動する。
ミサトにエヴァに乗る意向を伝えるも冷たく言い放たれる。
「碇シンジ君。あなたはもう、何もしないで」
アスカが乗る改弐号機が主機に点火し、ミサト艦長が号令をかける
「ヴンダー!発進!」
血の海に潜む使徒を空へと引きずり出し、急旋回急停止により動きを封じ、主砲で殲滅する。
「これが神殺しの力、ヴンダー、正に希望の船ね」と赤城副艦長。ヴンダーを中心に艦隊は空をかける。
検体BM03、仮称碇シンジは副長官から説明を受け、ヴンダーの主機がエヴァ初号機であること、故にパイロット不要であることを知らされる。シンクロ率は0.00%、仮に搭乗してもシンジにエヴァは動かせない。
そして首の爆弾が覚醒回避の物理安全装置であることを暗に知らされる。鈴原桜少尉は鈴原トウジの妹だった。
「あれから14年経ったってことよ、馬鹿シンジ」
眼帯以外「変わってない」アスカ。彼らはエヴァの呪縛により歳を取らないようだ。シンジが助け出したはずの綾波はエヴァ初号機内から姿を消していたという。
再び何かが船を襲う。
「碇くん、どこ?」
零号機がヴンダーの壁を破ってシンジを迎えに来る。この時シンジを止めるミサトから、ヴンダーがヴィレ(wille)という組織の船で、NERV壊滅を目的としNERVのエヴァ殲滅を目的とする組織であることを知らされる。
シンジを捕らえるエヴァ零号機。マキは八号機で零号機の頭を撃ち抜くも「アダムスの翼」により零号機は逃亡。ミサトはDSSチョーカー(起爆スイッチ)を引くことはできなかった。
補足(アダムは第一使徒、セカンドインパクトの発端であり全ての使徒とエヴァの起源。魂は十七使徒(カヲルくん)に、肉体はゲンドウの手にある)
見知らぬ天井
シンジが目を覚ますと、そこにはいつもの「見知らぬ天井」と、黒い服を着た綾波の姿があった。エレベーターで地下へ降りるも、ジオ・フロントからは空が見え、NERV本部は壊滅状態だった。ピアノを弾くのはカヲル。メガネが変ったゲンドウ。エヴァ十三号機にカヲルと二人で乗ることを知らされる。
綾波との再開を懐かしむシンジだが、綾波はもうかつての綾波ではないようだった。
「人類補完計画は、司会文書通りに遂行される、もはや我々と語る必要はない」とゲンドウ。
戸惑い孤独を感じるシンジをピアノに誘うカヲル。
「僕はカオル、渚カオル。君と同じ、運命を仕組まれた子供さ」
ピアノの連弾を通じて仲を深める二人。二人は星を見ながら語り合う。
「僕は君に会うために生まれてきたんだね」
補足(は?)
十四年の間に何があったのかと尋ねるシンジを、カヲルはある場所へと案内する。そこに見えたのは荒廃し赤く染まった世界だった。
シンジが初号機と同化している間にサードインパクトが起き、人類は大量絶滅していたのだ。
「この星での大量絶滅は珍しいことじゃない。むしろ進化を促す面もある。生命とは本来世界に合わせて自らを変えてゆく存在だからね。
しかし、リリン(人間)は自らではなく世界の方を変えていく。だから、自らを人工的に進化させるための儀式を起こした。古の生命体を贄とし、生命の実を与えて新たな生命体を創り出すためにね。
全てが太古よりプログラムされていた絶滅行動を、NERVでは「人類補完計画」と呼んでいたよ」とカヲル。
カヲルはこう続ける「一度覚醒し、ガフの扉を開いた初号機はサードインパクトのトリガーとなってしまった。リリンの言うニアサードインパクト、全てのきっかけは君なんだよ」
「僕はただ、綾波を助けたかっただけだ」とシンジ。
感情を制御できず暴走し、サードインパクトを引き起こしたシンジに、ミサト達は罰として首にDSSをつけたのだ。
シンジの母親、碇ユイ
戸惑うシンジを将棋に誘う冬月。そこで、自分の母親がかつて冬月の研究室の学生であり、現在エヴァ初号機の制御システムとなっていることを知らされる。
シンジの母親、綾波ユイは自身が考案した「コアへのダイレクトエントリー」の被験者となり、実験中にエヴァ初号機へと消え、ユイの情報は綾波シリーズに残された。
綾波レイは、シンジの母親の複製体の一つだった。そしてレイもユイと同様、初号機の中に保存されている。そしてその全ては碇ゲンドウの計画だった。
巨大なユイの抜け殻を眺め「最後の計画の時が来る。もうすぐ会えるな、ユイ」とゲンドウは呟く。
エヴァンゲリオン十三号機始動
人類補完計画最後の道具である「エヴァ十三号機」が動き出す。
カオルは塞ぎこむシンジの首からDSSを外し「もともとは僕を恐れたリリンが作ったものだから」といって自分の首にはめる。そしてドグマの爆心地に残る2本の槍を取り、NERVのフォースインパクトと人類補完計画を阻止することが任務であると伝えられる。さらに十三号機と槍を使えば世界を修復できるという。エヴァ十三号機はダブルエントリーシステムだった。
「いつも君のことしか考えていないから」とカヲル。
補足(は??笑)
ドグマの爆心地にはインフィニティのなり損ないたちが眠っていた。二人はリリス(人類の元、綾波の魂)の結界を突破し、セントラルドグマの最深部、サードインパクトの爆心地にたどり着いた。
下にはリリスの躯、今までミサトたちがサードインパクト阻止のため必死で守ってきたものがあった。その傍らにはエヴァ・マークシックスが、自律型に改造されリリンに利用された成れの果てがあった。
ロンギネスとカシウス、2本の槍を持ち帰るには2つの魂が必要だった。綾波(リリンの模造品)には魂がないため十三号機に搭乗できないのだ。カオルは2本のやりを見て違和感を覚える。
その時、十三号機を襲う爆撃。アスカが二人を止めに来たのだ。カオルはリリスに刺さった槍が同じものであることに気がつく。そしてリリン、つまり人類代表であるゲンドウの意図に気がつくのだった。
「アダムスの器になる前に、そこから出たほうがいいよ」とマキ。
「ATフィールドがない、まさかこの機体」とアスカ。
槍を抜くシンジ、止めるカヲル。やりが抜けるとリリスは弾け飛ぶ。「始めよう、冬月」とゲンドウ。マークシックス、パターン青。
「第十二の使徒がまだ生き残ってる」とアスカ。
「これが命令」と言ってマークシックスの首を切り落とすレイ。
最後の使徒はレイの姿へと形を変える。
「まさか第一使徒の僕が、十三番目の使徒に落とされるとは」とカヲル。
「始まりと終わりは同じというわけか。さすがリリンの王、シンジくんの父上だ」
「ないはずの十三番目?ゲンドウ君の狙いはこれか」とマキ。
場面は変わり、ゲンドウとゼーレ。
「司会文書の契約改定の時がきました。これでお別れです。あなた方も魂の形を変えたとはいえ、知恵の実を与えられた生命体だ。有休の時を生きることはできても、訪れる死からは逃れられない。死を背負った己の進化を進めるために、あなた方は我々に文明を与えてくれた。人類を代表し、感謝します。死を持ってあなた方の魂をあるべきところへ返しましょう。宿願たる人類補完計画、諦観された神殺しは私が行います。ご安心を」そう言ってゲンドウはゼーレに別れを告げる。
「全てこれでよい。人類の補完。安らかな魂の浄化を願う」とゼーレ01。
十三号機の覚醒
十三号機はアダムと思われる胎児を捕食し、2本の槍を持ち覚醒した(儀式進化形態を超える)十三号機は白く光を放つ。アダムスの生き残り。
天高く浮上すると、空は黒く染まり赤い地上は引き剥がされるようにうねりだす。
「フォースインパクト、その始まりの儀式さ」とカヲル。
カヲルの首輪が反応し始める。と同時に、エヴァ十三号機に激しく追突するヴンダー。ミサトがフォースインパクトを食い止めに来たのだ。アダムスの器となった零号機がヴンダーを狙撃する。
「アダムスの器はヴンダー本来の主、初号機から本体の制御を奪い返すつもりだわ」赤城副司令官。
ヴンダーを侵食し始める零号機。狙撃したアスカが胸のコアを見て一言「ブルー?ゼーレがやりそうなことね」。
「モードチェンジ、コードトリプルセブン」とアスカが叫ぶ。アスカと改弐号機の目が赤く光り、零号機に噛み付く。
レイは初めて命令を無視して零号機から脱出。全身がコアとなった零号機殲滅のためアスカも脱出、弐号機は自爆した。
カヲル君との別れ、閉じるガフの扉
「全部僕のせいなのか?」と嘆くシンジに、十三の使徒である自分がトリガーになったのだと言って慰めるカオル。
「ごめん、これは君の望む幸せではなかった。ガフの扉は僕が閉じる」カヲル。
「カオル君が何を言ってるのか、わからないよ!」シンジ。
十三号機は2本の槍を自らの体に深く突き刺す。
「シンジくんは安らぎと自分の場所を見つければいい。縁が君を導くだろう。そんな顔をしないで。また会えるよ、シンジ君」そう言ってカオルは爆発した。
十三号機は落下する。八号機がそれを追う。ガフの扉はまだ閉じない。シンジがゼーレの保険として機能しているかららしい。
八号機がシンジのエントリープラグを抜くと、十三号機は光を失い、ガフの扉は閉じた。
「ひどい有様だな。殆どがゼーレの目論見通りだ」と冬月。フォースインパクトは食い止められた。
ラストシーン
エントリープラグ内でうずくまるシンジをアスカが引きずり出す。近づいてきたレイを見てアスカが一言「綾波タイプの初期ロットか」。
「ここじゃあL結界密度が濃すぎて助けに来れないわ。リリンが近づけるところまで移動するわよ」三人は赤い荒野を歩きはじめた。
おわり
次回予告
全てに決着をつけるため、出撃するミサトとWilleクルー。全てに決着をつけるため、満身創痍のエヴァを駆るアスカとマキ。全てに決着をつけるため、父ゲンドウと対峙する碇シンジ。そしてシンジは決断する。さらば全てのエヴァンゲリオン。
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「エヴァンゲリオン新劇場版:Q」好きなシーン5選
インスタにのエヴァ公式アカウントが「エヴァンゲリオン新劇場版:Q」好きなシーン5選なるものを上げていたので参考として記載。
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