エヴァンゲリオン生みの親、庵野秀明。エヴァンゲリオン新劇場版の最終章「:II」が2度に渡る公開延期を経て3月1日に公開となった。
それに合わせNHKの人気番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」で4年に渡り密着してきた庵野秀明の素顔が明かされる。
「シン・ゴジラ」の大ヒットを受け、今年には「シン・ウルトラマン」の公開も予定している。既に還暦を迎えたアニメーション作家とは思えないその活躍ぶりを以下で整理してみた。
庵野秀明のプロフィール
- 本名:庵野 秀明(あんの ひであき)
- 生年月日:1960年5月22日(60歳)
- 出身地:山口県宇部市
- 血液型:A型
- 大学:大阪芸術大学芸術学部映像計画学科(中退)
代表作「ふしぎの海のナディア」「新世紀エヴァンゲリオン」でアニメーターとしての名を広げ、現在多数の法人で代表、役員を務める。妻は漫画家の安野モヨコ。
大阪芸術大学芸術学部映像計画学科(現映像学科)について
出身である大阪芸術大学芸術学部映像計画学科の同期がそうそうたるメンバーであったのでついでに掲載。
この投稿をInstagramで見る
島本和彦(しまもと かずひこ)漫画家
代表作
- 『炎の転校生』
- 『逆境ナイン』
- 『燃えよペン』
- 『吼えろペン』
- 『アオイホノオ』
この投稿をInstagramで見る
士郎正宗(しろう まさむね)漫画家
代表作
- 攻殻機動隊
- アップルシード
この投稿をInstagramで見る
南雅彦(みなみ まさひこ)プロデューサー
代表作
- 機動武闘伝Gガンダム
- カウボーイビバップ
- ラーゼフォン 多元変奏曲
- 鋼の錬金術師
- 交響詩篇エウレカセブン
- ストレンヂア 無皇刃譚
- 東京マグニチュード8.0(製作)
- 僕のヒーローアカデミア(製作)
この投稿をInstagramで見る
西森章(にしもり あきら)監督・演出家
代表作
- 超時空要塞マクロス(絵コンテ)
- 高橋留美子劇場(監督)
- 名探偵コナン 迷宮の十字路(副監督)
庵野秀明と宮崎駿
庵野が学生当時、アニメ雑誌に掲載されていた宮崎駿監督作品『風の谷のナウシカ』のスタッフの募集広告に応募すると、原画担当として採用された。
これを機に大学を中退、上京。『風の谷のナウシカ』では、採用時に持参したメカ描写などの原画が宮崎駿に評価され、クライマックスである巨神兵登場シーンの担当に抜擢された。
その後も『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』などでメカの作画や爆発シーン等のアニメーション製作に携わる。
庵野は師匠として宮崎駿と「マクロス」の板野一郎の名前を上げているが、宮崎駿とは対立した時期もあった。
庵野が宮崎駿作品を「つまらない映画」と評し、宮崎も『新世紀エヴァンゲリオン』を「いらないアニメ」と酷評することもあった。
しかし宮崎は『新世紀エヴァンゲリオン』放送終了後、心配して庵野に電話をかけた。「とりあえず休め。半年休んでもなんてことはないから」と庵野を気遣う言葉をかけている。庵野本人も、宮崎駿の言葉によってかなり助けられたと語る。
アニメーターとしての仕事の辛さ、キツさを知る宮崎駿だからこそ、賛否両論を巻き起こす結果となったエヴァンゲリオン最終話を見て、庵野の「異変」に気が付いたのかもしれない。宮崎駿をして「庵野は血を流しながら映画を作る」と言わしめるその仕事ぶりは相当ハードなのだろう。
2013年に庵野は、宮崎駿映画『風立ちぬ』で主人公である堀越二郎を声優として演じ、かつての確執は解消している。
庵野秀明が『風の谷のナウシカ』の続編を企画?
1984年に庵野が原画として参加した『風の谷のナウシカ』では、登場人物「クシャナ」を主人公にしたスピンオフ製作を持ちかける。しかし宮崎駿は庵野に対し「戦争ごっこをやりたいだけだ。くだらない最低のものになるのが決まっている」と却下。
『風の谷のナウシカ』公開から30年が経った2013年のインタビューで宮崎駿は「僕は続編をやる気はない。でも庵野がやりたいやりたいと言うから、やるならやっても良いと思うようになっていってます。」と発言。スタジオ・ジブリプロデューサーの鈴木敏夫によれば、2016年時点で宮崎本人から『風の谷のナウシカ』続編についての許可は得ているという。エヴァンゲリオン新劇場版の最終章が公開され、シン・ウルトラマンの公開も控える今、庵野監督次回作として『風の谷のナウシカ』の続編の可能性に期待したい。
庵野秀明とエヴァンゲリオン
23歳で大学を中退し、その後12年に渡りアニメ業界で経験を積んできた庵野。彼が35歳となった1995年、テレビ東京で夕方4時にスタートした「新世紀エヴァンゲリオン」。1996年3月まで半年間、全26話放送されたエヴァは社会現象になった。
1970年代の『宇宙戦艦ヤマト』、1980年代の『機動戦士ガンダム』に次ぎ、第3次アニメ革命と言われる。日本アニメ史上で5本の指に入るほど重要な作品とされ、海外での評価も高い。
主人公の自意識や人間関係という狭く閉ざされた世界から、地球の命運という大きな世界まで、両極端な話が連動する構造がエヴァンゲリオンの物語の特徴である。その後「ポスト・エヴァンゲリオン」とも言うべき作品が数多く続き、「セカイ系」と呼称されるようになった。
アニメのヒットを受けて販売された漫画やフィギュアなども軒並み大ヒットを記録。エヴァンゲリオンをきっかけに深夜枠でのアニメ放送が急増し「深夜アニメ」と呼ばれるジャンルが誕生、新たな世代のアニメ文化の枠組みを築いた。
当時発展を見せていたインターネット掲示板などでは、エヴァンゲリオンのTVシリーズ後半の展開について激しい論争が繰り広げられた。特にシリーズ終盤の第25話、26話(最終話)については批判的意見も多かったが、庵野本人は「パソコン通信にハマる人たちは『現実世界に帰れ』」と応戦。またインターネット上の作品論争を「便所の落書き」と一蹴し、否定的見解を見せている。
庵野秀明[プロフェッショナル仕事の流儀]に出演
NHKの人気ドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」75分スペシャルが3月22日19時30分から放送予定。
3月8日、二度の延期を経て「シン・エヴァンゲリオン劇場版『:||』」が公開された。4年にわたって取材した「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の制作現場、庵野監督の実像に迫る。
そのほか妻で漫画家の安野モヨコ、鈴木敏夫(スタジオ・ジブリプロデューサー)、鶴巻和哉(シン・エヴァンゲリオン劇場版監督)、樋口真嗣(シン・ゴジラ監督)、宮崎駿が出演。
またNHK BS4Kでは「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」3作を放送予定。スケジュールは以下の通り。
- 「:序」 4月4日23時20分〜
- 「:破」4月10日22時15分〜
- 「:Q」4月11日23時20分〜
関連記事⇛「エヴァンゲリオン新劇場版:Qを考察!徹底解説でラストシーンを考える!」
動画を見る方法や再放送の予定について
放送から1週間、NHKの動画配信サービス「NHKプラス」で配信予定。
「NHKプラス」には専用IDの作成が必要となり、ID作成にはNHKの受信契約を元にした登録手続が必要だ。(1契約につき1ID、1IDで最大同時5画面まで視聴可能)
登録では「受信契約」の氏名と住所を確認されるので、見逃し配信を見たい人はNHKの料金支払いに関する書類を手元に準備しておこう。(NHKの料金を払っていない人は急いで支払いを済ませるか、実家に連絡してみよう)
関連記事⇛「エヴァンゲリオン新劇場版:Qを考察!徹底解説でラストシーンを考える!」
プロフェッショナル史上、最長4年!#庵野秀明 の『シン・エヴァンゲリオン劇場版』制作現場に異例の長期独占密着。
ついに完結した『エヴァンゲリオン』の現場で一体何が起きていたのか?
【出演】庵野秀明 安野モヨコ 鈴木敏夫 鶴巻和哉 樋口真嗣 宮崎駿
総合22(月)19:30 https://t.co/kUF40JfXUl pic.twitter.com/GbDjXx47fw
— NHKアニメ (@nhk_animeworld) March 12, 2021